- from DRIVING to DIVING -
最近の制作は、光によって網膜に投影された風景や物などの像の表面上をDRIVEするように視線を横滑りさせるところからはじまります。そこから徐々に視線は支持体の表面へと移行し、物質である絵の具を支持体に塗り重ねていく作業を繰り返しながら、絵画の暗く冷たい深淵へ垂直にDIVEし、手探りで何かを探しに行きます。
デジタル、あるいはフィルム映像のような表面性や物語性、作品の外部と内部につくりだすインスタレーション的空間性、建築のような構造性、彫刻のような造形性、光と絵の具による色彩性や物質性など、さまざまな要素が私の絵画制作にますます複雑にからまりはじめています。このような複雑な要素たちに翻弄されながらも、何かシンプルなものに出会いたいという思いで、ペインティングを続けている気がします。