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播磨 みどり " アメリカ " Midori HARIMA

開催日時

“アメリカ” インスタレーション 2008
Gallery Jin Annex : Gallery KINGYO
2008 年2月29日(金)〜3月9日(日)
12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
月曜休廊
http://www13.plala.or.jp/sd602kingyo/exhibition/2008/0229_1.html


" America "
Installation 2008
Gallery Jin Annex : Gallery KINGYO
February 29 (fri.) ~ March 9 (sun.), 2008
Hours : 12:00 - 19:00 ( Last day : till 17:00 )
Closed on Mondays

展覧会について

 NY在住作家・播磨みどりの国内では2年振りとなる個展。
 Gallery Jin Projectsでは立体やドローイングを、
Gallery Jin Annexではコヨーテのインスタレーションを
発表します。テーマの異なる2会場での同時期開催に、どう
ぞご期待ください。

※Gallery Jin主催の、二会場での同時期開催となりますが、
最終日が異なりますのでご注意ください。


“アメリカ”インスタレーション 2008 Gallery Jin Annex
での展示について:

 コヨーテの立体が10数匹輪になって空間の中に置かれている。
それぞれのコヨーテは中心を見据えるように配置されている。輪
の中心には何も置かれない。
 コヨーテの輪は薄い半透明の布によってその外側を囲まれ、閉
じられている。その中に鑑賞者は入ることが出来ず、それは半透
明の布越しに外側から鑑賞される。



〈コンセプト〉
 この作品はヨーゼフ・ボイスの1974年のパフォーマンス作品
” I like America and America likes me”にヒントを得、自
分の中の「アメリカ」をもとに作られた。
 去年、旅行先のベルリンで入った美術館に、ヨーゼフ・ボイス
の部屋があった。奥の一面に大きく投影された映像には、金網で
閉じられたギャラリーの内部でフェルトに包まり、杖を片手にし
たボイスとコヨーテとのコミュニケーションの様子が映されてい
た。作品のモチーフや素材、意図、メッセージ、それが今映写さ
れている空間、それを記録という形で事後的に今ここで観ている
自分自身を含め、作品と自分との間のある絶対的な距離と共にそ
の映像にしばらく引き込まれた。

 何より異国で物理的なそして心理的な距離の下、「United States」
でない「America」という言葉を目にし、その距離感に覚えがあった。
「アメリカ」は私にとって長い間遠い外国であり、現在は生活の場であ
る。自分にとって「中でもない外でもない旅先のある地点」からアメリ
カを想った時に、複雑で混乱した形の自分の中のアメリカが立ち現れた。


 私の生まれ育った日本は戦後、政治的、経済的、文化的にその多くを
アメリカに追うことで民主化を図り、アメリカという概念は理想化され
た形で、人々のライフスタイルを始め、価値観や美意識等にまで影響を
及ぼした。世界的に見てもアメリカはグローバリズムという戦略の下に
中心という概念と密接に結びつくことで、多くの国々を先導した。その
過程で掲げられ、輸出された自由・平等・民主主義といった概念が、政
治的・経済的な戦略として利用され始め、中心−周縁という概念がその
からくりを露呈することで理論上で一旦解体した後も、アメリカはその
ような概念のゴーストと共に心理的に、またアメリカン・グローバライ
ゼーションの下に作られた風景や日常として世界のあちこちに物理的に
存在し続けている。


 この作品は、身体レベルでの個人的な中心−周縁という実感を、イデ
オロギーとしての中心−周縁という構造と、「アメリカ」という一つの
概念に重ねることで自分の中の「アメリカ」を、構造的に、また心理的
に確認する為に作られた。


 作品と私(=鑑賞者)との間の物理的、心理的、時間的な距離

 中に居ながら同時に外部でもある、外国人としての暮らし

 外部が中心を作り出す構図

 そしてそれがたえず入れ替わっていくこと

 そういった分裂した要素を緩やかにリンクさせ、作品とした。
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