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開催日時エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ウルトラ004」 に出展いたします! 展覧会について展示コンセプト:セルフポートレート いつの時代も重要なテーマとして生き続けるセルフポートレートを切り口に、版、陶、絵画とそれぞれ異なる表現域から、3名の作家を選出します。若木くるみは1985年生まれ、2008年に京都市立芸術大学を卒業。水性木版による版画作品と、2009年の岡本太郎賞受賞作に代表されるようなパフォーマンスという、印象の全く異なる作品を発表してきました。この2つの方向の作品は、一見、強烈な後者に押し出しの強さがあると感じられます。しかし作家自身が「鑑賞者とのコミュニケーションに重きを置いた他力本願スタイル」と称するように、一連のパフォーマンスは、ネガティブをバネにして獲得した切実な明るさと言えるでしょう。一方、柔らかい色調の木版画は穏やかで控えめな趣でありながら、人を喰ったようなタイトルや画面に散りばめられた謎めいた要素が、暢気に眺めることを許しません。度肝を抜く派手さのない版画の方にこそ、したたかな戦略が見え隠れしています。 瀬川勇太は1988年静岡県生まれ、2011年に武蔵野美術大学を卒業。その陶の作品には、多くの陶磁作品がもつ均整のとれた形態・色絵の美しさといった要素はきわめて希薄です。黒牛の姿を借りた悪魔と、作家自身を模した人物が握手をかわす「悪魔との契約」にはユーモアが漂いますが、同時に、陶に対する瀬川の熱意と覚悟がストレートに表われています。marianeは、1982年にブラジルで生まれ、幼少期の数年間をシンガポールで過ごしました。2003年に京都嵯峨芸術大学短期大学部を卒業後、軟体動物とも植物ともつかない不可思議な姿をした生き物を、一貫して繊細な筆致で描いてきました。それらの生き物は作家自身が感じる身体感覚によって各々の姿形を得ており、動物の体表や粘膜を思わせるイメージが頻繁に見られます。艶めかしく、かつおおらかな空気を醸し出す画面からは、marianeが自身の身体感覚をポジティブにとらえ、信頼していることが伝わってきます。和紙の上にたゆたう生き物は、marianeが手繰る無数の生のイメージであると同時に、彼女自身の分身でもあるのです。
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