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開催日時2014 年2月1日(土)〜22日(土) 展覧会についてふたりのアーティストのクリエイションをひとつの空間にパッケージする「Duet series」。その第一弾として、ペン画の増子博子と陶芸の桝本佳子をフィーチャーいたします。 このふたりの作品にはそれぞれのユーモアがしっかりと表現の軸の部分に備わっています。予想外のかたちへと育成していく盆栽の華々しさや、異なる縮尺を飄々と共存させてしまう意外性といった表現としての緊張感を忍ばせながら、観ていて思わず笑顔がほころんでしまうような「おかしみ」が増子、桝本両アーティストの個性の重要な部分の一端を担っているのです。こういった個性がいっしょに展示されるときに生み出される響きや、同時に鑑賞して得られるイメージの広がりや深まりを堪能していただければ幸いです。 協力:幕内政治 (作家のコメントより) 2006年から私がモチーフにしている「盆栽」は、自然物を人間の側に引き寄せ、人間のスケールに合わせて展開される。しかし、あの春流されてきた樹木は、人間のコントロールを超えた姿を晒していた。その現場に、たまたま私が居合わせ、ピントが合った。それは、人間が自然に引き寄せられた瞬間ではなかったかと思う。 〈Artifact:アーチファクト〉とは自然科学の用語で、自然を対象とするはずの自然科学において、意図せずに人工のものが現れてしまうことを指す言葉である。実際の被写体には無い人工的な虚像である。例えば「ファントムリーフ」という有名な現象がある。それは、葉を半分に切ってからキルリアン写真の技法で撮影すると、切りとられてなくなった部分も発光し、元の葉の形を幻影=ファントムのように再現するというものだ。その幻影は、人工的なエラーによるものなのだが、人はその幻に視えない何かを視ようとしたのだろう。 自然物の構造とは、私たちの身体や感覚とは関係なく、ある特定のアルゴリズムに従い続けるものである。そこに私たちがピントを合わせていくことが、自然と人工の間に出現する何ものかを捉えるチャンスになるのではないか。 新作の「Artifact」シリーズ約10点と「盆栽」シリーズ2点、ドローイング数点を出品予定。
桝本佳子:
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