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Duet series vol.1  増子博子・桝本佳子

増子博子
Artifact/002
2013年
ペン、インク、ワトソン紙、木製パネル
53.0 ×33.5cm

 



桝本佳子
雪/碗
2013年

20.0 ×14.0×h12.0cm




 


 




→作家紹介
Gallery Artist 
増子博子  桝本佳子

 
開催日時

2014 年2月1日(土)〜22日(土)
12:00〜19:00
月・火曜日休廊

展覧会について

ふたりのアーティストのクリエイションをひとつの空間にパッケージする「Duet series」。その第一弾として、ペン画の増子博子と陶芸の桝本佳子をフィーチャーいたします。
 「盆栽」が種から成長していく過程をイメージの起点に据え、ボールペンによる緻密な描写で、時に壮大なスケール感を彷彿とさせる情景を紡ぎ出す増子博子。ユーモラスな佇まいに育った盆栽を描いた一連の作品群を経て、その表現はぐんぐんとまさに枝葉を広げ、実に多彩なヴァリエーションを獲得するに至っています。今回は初めての試みとして黒い下地に銀色の線の構成による新しいシリーズ「Artifact」の作品を中心に発表いたします。
 桝本佳子は陶芸の表現や手法としてはオーソドックスな感触を保ちながら、器や壷と、まったく別の要素とを大胆に交錯させ、観るものの既成観念を軽やかに越え、意表を突くユニークな造形を創作します。手仕事をしっかりと感じさせるあたたかみに満ちた作品で、滋味にも富み、その独特のやさしい風合いで鑑賞者を魅了します。今展では「白」「雪」というモチーフを採用し、比較的抑制を効かせた色合いの新作を展示予定です。

 このふたりの作品にはそれぞれのユーモアがしっかりと表現の軸の部分に備わっています。予想外のかたちへと育成していく盆栽の華々しさや、異なる縮尺を飄々と共存させてしまう意外性といった表現としての緊張感を忍ばせながら、観ていて思わず笑顔がほころんでしまうような「おかしみ」が増子、桝本両アーティストの個性の重要な部分の一端を担っているのです。こういった個性がいっしょに展示されるときに生み出される響きや、同時に鑑賞して得られるイメージの広がりや深まりを堪能していただければ幸いです。

協力:幕内政治

(作家のコメントより)
増子博子:
 「Artifact」〈自然と人工の接続により現れる/視えないものを視た後に〉
 2011年春、近所の川にはたくさんの樹木が流されてきていた。
  私はその樹木の異様な様に驚かされた。春の芽生えの季節、若々しく輝く幼い葉が、幹から枝から、根を除いた全身いたるところから噴出するように生えていたのである。
 (人間から見たら瀕死の)根が土にもついていない、木の裸のような状態で。今思い返すと無彩色の記憶の中、その樹木の姿だけハレーションを起こしたように浮き上がっている。それは葉という形の光であった。そして、樹木の裸体を視てしまったような、視てはいけないものを視たような感覚に陥ったのである。

 2006年から私がモチーフにしている「盆栽」は、自然物を人間の側に引き寄せ、人間のスケールに合わせて展開される。しかし、あの春流されてきた樹木は、人間のコントロールを超えた姿を晒していた。その現場に、たまたま私が居合わせ、ピントが合った。それは、人間が自然に引き寄せられた瞬間ではなかったかと思う。

  〈Artifact:アーチファクト〉とは自然科学の用語で、自然を対象とするはずの自然科学において、意図せずに人工のものが現れてしまうことを指す言葉である。実際の被写体には無い人工的な虚像である。例えば「ファントムリーフ」という有名な現象がある。それは、葉を半分に切ってからキルリアン写真の技法で撮影すると、切りとられてなくなった部分も発光し、元の葉の形を幻影=ファントムのように再現するというものだ。その幻影は、人工的なエラーによるものなのだが、人はその幻に視えない何かを視ようとしたのだろう。

  自然物の構造とは、私たちの身体や感覚とは関係なく、ある特定のアルゴリズムに従い続けるものである。そこに私たちがピントを合わせていくことが、自然と人工の間に出現する何ものかを捉えるチャンスになるのではないか。

 新作の「Artifact」シリーズ約10点と「盆栽」シリーズ2点、ドローイング数点を出品予定。

 

桝本佳子:
風景の中に当然のようにいるが溶け込まない。
今回は特に色味を抑えた事でそのような感じになるのではないでしょうか。
白、雪をモチーフとした作品を6点程展示予定。

 


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