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  田中みぎわ展 森の客間 −谷中の奥書院−

神様の手のひら
2008年 墨、胡粉、雲肌麻紙
180×312×3 cm
大地がゆっくりと呼吸している
(07-2)
2007年 墨、雲肌麻紙
40×180×3 cm
展示風景

開催日時
2008 年5月16日(金)〜5月31日(土)
12:00〜19:00(最終日は17:00まで)、 月・火曜休廊 

Migiwa TANAKA Guest Room in the Forest : Oku-shoin in Yanaka
May 16(fri.) ~ May 31 (sat.), 2008
Hours : 12:00 - 19:00(Last day : till 17:00),
Closed on Mondays and Tuesdays 

展覧会の内容等

 田中みぎわは1974年東京都武蔵野市に生まれ、現在神奈川県
藤沢市に在住しております。1999年に東京芸術大学大学院修士
課程美術研究科(日本画専攻)を修了。東京を中心に、各地で精
力的に作品を発表して来ました。2005年にVOCA展に出品し、
府中市美術館賞を受賞するなど、今後も益々その活躍が期待され
ているところです。

 今展では、作家に画廊を「書院」に見立てもらい、「森の客間」
というテーマの下、空間の造りを生かした、来場者にくつろいで
いただけるような展覧会を目指します。
 和紙と墨と胡粉で描いた絵画約15点を展示予定。

※「書院」は元々、禅僧が書を読むための部屋から発展したもので、
鎌倉時代には居間と書斎の両方の役目を担っている部屋のことでし
た。その書院を取り入れた「書院造」は、やがて日本の住宅の建築
様式として成立し、現代の和風建築へと繋がっていると言われてい
ます。(参照:ウィキペディア、学研教育情報センターほか)

(作家コメント)
自己紹介:
 自然の風景をモチーフに絵を描いている。自然の中に身を降ろす
生活をし、その空気の中で日々感じ溢れるものを表現したいために、
いままで石垣島、熊本などに滞在して制作活動の拠点としてきた。
雲、空、水などをテーマに描いている。

自身の作品と展示について:
 制作はスケッチを基にしているため、野に出向きます。
 雨後のしっとりとした肌にまとう空気のなか、ああ、わたしは毎日
こうやって夕べに川辺を歩きたいと思うのです。川を渡る風を頬にあ
てていると、なぜこんなに懐かしいんだろう?せせらぎの音を聴いて
いて飽きることはありません。水に近い目線で眺めていると、その水
がひたひたと入ってきて心をみずみずしく冷やすようです。水面を眺
めていればたくさんの記憶がよみがえり、心の奥底に沈む何かが揺さ
ぶられます。物思いにふけると、わたしの心身も水で充たされている
ことを知ります。わたしの中の水面が波立ち、満ちているのを知るこ
とができます。

 思うに、人はとりとめなく思いながらあてどもなく川や野山を歩く
ことで、自分の感情や思考を均しているのではないでしょうか。まる
で鍬で畠を均等に耕すように。ぶれた針の動きを均等な揺れ幅に戻す
ように。


 しばらく見ない間にすっかり様相を変えている春の山
 木々はいっせいに芽吹き
 土は香り立ち
 川沿いに花は揺れる

 ひんやりとした水がひたひたと心に染み込み
 しっとりした雲がたちまち心の大半を占めてしまう
 すぐにでも私の心はすべてを吸収しようとして
 息苦しいくらいだ

 草木が全身の細胞を開き
 最初の水を吸い込んでいる
 彼らの身震い、ため息、無言の感嘆が聴こえる
 息がつまりそうな喜びを感じる

 鳴り響く若い森
 交響する青い木々
 ここは屋根なき神殿
 森の客間へどうぞ

(田中みぎわ)